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真野のむらのきろく

 平成25年(2013)、大津市立北図書館でこの文集を見つけ、禁帯出のため数日かけて写本し、 誤字脱字と思われる箇所を修正し資料とした。 これは文集の原本ではなく、北図書館で再編集されたもののようで図版等は付いていない。
 指導に当たられた横山幸一郎先生の「おわりに」あたってのあいさつを紹介させていただく。
 表題に掲げた「むら」は「村」ではなく、古い「むら」のにおいのする土地、つまりかつての素朴な農村という意である。 その「むら」に焦点をあて、綴ったのが「むらのきろく」である。 真野の歴史は、土地の歴史的な流れを史学の立場から論述したもので、前者を児童生徒に、後者を筆者が担当した。 この土地に歴史があって資料がない─ということを補うためと、自分の土地を誇り、土地に対するイメージを希う─ということ。 この二面を動機として研究を始めた。さいわい4年間担任を続けたので予定通り進行した。この間、大病を患って2、3か月学校を休み迷惑をかけたが、「近江郷土史辞典」なる書を公刊して再起し、この研究の後半は、ともども協力して完成にもっていった。  昭和40年3月19日、担任児童44人は「むらのきろく」を卒業文集として巣立ちゆく。巣作り充分であったのかどうか─文集のみでなく、全面にわたって相済まないと思っている。児童が去ったあと、この記録をより充分なものとして、それがただひとつ私のできる報いだと悟ったのである。

内容

1 はじめに
2 佐川の記録
 金の茶釜/山の神/ちまきたべ/竜王さん/妙見さん参り/八大竜王/殿墓/渡月さん/佐川の恩返し/佐川の象/金くそ/黒い土
3 大野の記録
 知らん坊の神様/よろ昆布/とんど/お精霊さん/光明遍照/屋敷藪/大野の迷信/大野の方言/庚申さん/銀ぎつね/明治のころ/大野の用水/大野のみみずく/チャンギリ/怒りん坊の神様/お寝坊の神さま/どんどの火の玉/水木/しる田/大野の祭り/石碑/皇子塚/家の名
4 家田の記録
 正院坊/家田という名/家田の生活/お火たき/家田の庄屋/家田の古墳/伊勢講/お百灯/愛宕講/牛さま/筒入れ/明智祭り/融さま/宮の森
5 谷口の記録
 庚申塚/谷口の古碑/善い神 悪い神/桜塚/越路古墳/もち堀り
6 中村の記録
 中村の八幡さん/中村の瓦/中村の迷信/地蔵盆の夜/四ッ角の地蔵さん/新堀/真野川の歴史/中村の病院/中組/川と名/湯あげ/豆はまめ/四の宮/稲荷山古墳/一本松/星の学者/中村の水害/中村の用水/中村の藪
7 普門の記録
 豪恕大僧正/上の神田神社/井戸の鳥/神田の蛇池/普門坊/牛の刻まいり/宮参り/神輿と鏡/十夜/瓢箪池の話/金毘羅祭り/大塚山古墳/六体地蔵/普門の字の名/馬場地蔵/豪恕さんと悪人/二条のお池参り/墓坂/普門の道/ごままき/神田の石灯ろう/十人衆/普門の遺跡/普門の迷信/よい花、悪い花/曼陀羅池/曼陀羅古墳
8 沢・北村の記録
 神田神社/伊勢講/ずっかい/多度参り/十七夜・さんやれ祭/神宮寺の鐘/稚児と駒/毘沙門様/病気なおし/おぼうしん/えべっさん/真野の入江/榛原小学校/沢の八幡さん/ぎょうじ塚/歯車工場/真野小学校/真野小学校の校長先生/真野荘/真野の古歌/真野の宮座/真野城/沢の遺跡/北村の遺跡/一本松経塚/北村の墓地/北村の裏手開発/真野駅
9 浜のきろく
 女の十人衆/浜のずっかい/餅つき田/浜の船入れ/三宮式部長/浜の遺跡/浜の碑/真野水泳場/琵琶湖大橋/母子草/浮きはえ流しもち/真野の漁師/琴ヶ浦/真野川の合戦

所在地

大津市立図書館(北館)、禁帯出

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